バイリンガルや帰国子女を含む”海外経験者”専門の転職エージェント Beyond Border(ビヨンドボーダー)

紹介できるグローバルキャリア求人情報を1万件保有する大手転職エージェント?

留学など海外経験を通し身につけた語学力やグローバルに対応できる柔軟性を習得しながら、その経験を仕事で活かすことが出来ず悩まれている方へ、専門の転職コンサルタントが一緒にキャリア構成から考え1段高いキャリアに向けた転職サポートを行っている転職エージェント Beyond Border(ビヨンドボーダー)。

グローバルなマインド・ビジョンをもつ海外経験者やバイリンガルに特化した転職支援で、外資系企業だけでなく、グローバルな活動が期待できる海外事業のお仕事も多数紹介。

求人件数は1万件あるということです。

公開されている求人は1万件のうちの6社26件のみ

ホームページで公開されている求人情報は
地域を限定せず、正社員だけでなく、フリーランスや派遣を含めても26件。求人企業数は6社のようです。

そして最新の求人情報でも10か月前。半数以上の求人は1年以上前のもの。

どんな求人票なのかひとつ見てみました。
タイトルは

【英語必須】 国内・海外向けPR担当
東証一部上場インターネット企業
更新日:2018.12.17

という求人です。
最初に獲得した求人のようです。
求人検索結果には一番最後、一番古い求人として表示されます。

会社名は伏せていますが、これは、株式会社LIFULLですね。
元の社名はネクスト。

リクルート出身の井上さんの立ち上げた賃貸不動産物件サイト「ホームズ」から始まった企業です。今や東証一部上場企業で、企業カテゴリーとしてはインターネットビジネスになるのですね。

ビヨンドボーダーに掲載されている会社理念の言葉、本社所在地も一致しています。
株式会社LIFULLのホームページで同社の募集中の求人情報を確認してみました。

株式会社LIFULLはビズリーチが提供している採用管理ツール「ハーモス」を採用しています。

確かに株式会社LIFULLの現時点での求人情報にも、ビヨンドボーダーに掲載されている求人があります。

求人票は採用企業のウェブサイトから丸写し

ビヨンドボーダーに掲載されている文言は、ほとんど株式会社LIFULLのホームページに掲載されている求人票と同じです。

転載しただけのようです。
普通の転職エージェントにはない手法ですね。

各転職エージェントは匿名の求人情報としてホームページで公開している場合、クライアント企業を敢えてわからないようにしつつ、独自の目線での企業紹介をするように努めています。

クライアント企業を敢えてわからないようにする理由は、第一に同業他社にそのクライアント企業に営業をかけられて競合が増えることを防ぐためです。

加えて、転職者がもしかすると自分で直接応募してしまうかもしれないからです。
転職者にとっては、直接応募するよりも転職エージェントを通すことの方がメリットはたくさんあっても、デメリットは、ほとんどのケースでないものの、誰かに頼んでとか、経由して、ということが嫌な人もいるだろうし、どこにも登録していない人にとっては、もしかしたら選考が進んでいたり応募が殺到していて一日を争うかもしれない、できる限り早く応募してしまった方がいいかもしれない、と考えて直接応募することもあるかもしれません。

求人企業の実名を公開している求人は0件

ビヨンドボーダーには実名公開している求人は一件もありません。

もしかしたら契約している企業は本当に1社もないんじゃないでしょうか。
1万件も求人情報はありますよ、としておきながら、その数千社のクライアント企業のうち、1社も公開できない事情があるというのも信じがたいですよね。

ビヨンドボーダーの求人票を見る限りは、転職エージェントでの実務経験のある人が管理運営しているようではないようです。
見よう見まねで転職エージェントです、としているように見受けられます。

ホームページには会社名、会社概要がどこにも見当たらない

ビヨンドボーダーのウェブサイトをくまなく見ていると気が付きました。

会社名がない。

どんな会社がこのサービスを提供しているのか会社概要がないんです。
ビヨンドボーダーというのはサービス名のようです。
転職エージェントサービスであるとされています。

会社名、会社概要をウェブサイトに掲載しないなんて怪しいですよね。

もちろん厚生労働省の許可番号の表示もない

転職エージェント、つまりは人材紹介業を事業とするのであれば厚生労働省の許可を得て登録しなくてはなりません。

リクルートの転職エージェントサービスは、「リクルートエージェント」。
ウェブサイトの「会社概要」をクリックすると、別のウェブサイト https://www.recruitcareer.co.jp/company/ に飛びます。
会社名はリクルートキャリア。

更に再度『会社概要』をクリックすると会社データに辿り着きますが、そこに[厚生労働大臣許可番号 13-ユ-010258]が表示されています。

そしてビヨンドボーダーというサービスですが、

どこにも会社名が記載されていない。

転職エージェントサービスを提供するようなウェブサイトだけど、
人材紹介業の許可を得ていることを示す厚生労働大臣許可番号も表示されていない。

無許可で転職エージェントサービスをしている可能性が高いですね。

つきとめた会社名

しつこくウェブサイトを探っていると、やっと、どんな会社がこのウェブサイトの主なのか、やっとつきとめることができました。

マスコミに掲載されたというページに、そのマスコミの記事には会社名がありました。

社長の名前もつきとめた

2017年7月3日 日経新聞(日経産業新聞)には
「英語教育プログラム作成のエディフィスジャパン(宮城島啓太社長)」とされています。
「同社が提携する300社」との紹介もあります。

宮城島啓太という人物を調べてみました。
ビヨンドボーダーのカウンセラーとしての紹介ページがヒットしました。

ウェブ上にはあるページですが、ビヨンドボーダーのウェブサイトに公開されている『転職コンサルタント』には宮城島啓太なる人物はいません。

さらに調べをつづけると、やはりビヨンドボーダーのウェブサイト内に、宮城島啓太氏の名前を見つけました。

2020年1月6日付けの『インタビュー』記事でそのインタビューをしているのが宮城島啓太という人物ということです。

そのインタビュアー紹介の部分から宮城島啓太氏の紹介ページにリンクがありました。
海外準備予備校に10年あまり勤務し300名が留学するのをサポートしたということです。
「2015年、留学経験者専門の転職エージェントBeyond Borderを運営する株式会社EDIFICEを設立」という文言も見つけました。

宮城島啓太氏がビヨンドボーダーというサービスを提供している会社の社長であることに間違いはないようです。
そしてその会社名は2015年の設立時は、株式会社EDIFICE。
2017年のマスコミ記事ではエディフィスジャパン。
株式会社なのかどうかもわかりません。

更にリンクされていた、『代表あいさつ』には株式会社エディフィスジャパンとありました。株式会社で間違いないようです。
やっと正体を突き止めました。

しかし、なぜこの会社は会社概要を隠すのでしょうか?

会社概要をウェブサイトに掲載しない理由を推測すると、、、

転職エージェントを名乗っているのに、厚生労働省許可番号がない件ですが、それも察しがつきました。

ビヨンドボーダーは『PRTIMES』というプレスサービスにサービス開始のニュースを掲載しています。

実際には転職斡旋(人材紹介事業者としての業務)はしない
業務提携先が行う、としている

そこに
「「留学経験者」「転職」の2つに特化限定し、サイト内にて、情報発信、セミナー・イベント、転職斡旋(シグマアテンドサービス株式会社との業務提携により)を展開していきます。」
とありました。
つまり、転職斡旋業務(これが転職エージェントサービス、人材紹介業)は業務提携するシグマアテンドサービス株式会社という会社が行うと言います。

しかし、人材紹介業務を委託する業務提携会社は転職エージェントが主業務ではなく、パーティーコンパニオン派遣会社

確かにシグマアテンドサービス株式会社は存在していて、人材派遣も人材紹介も許可を得ています。

許可番号もホームページで表示してあります。

許可を得ているとは言え、ホームページを見る限りはビジネスパーソン、特に英語力を活かしたいグローバル人材がりようするような人材紹介会社、転職エージェントではなく、パーティーコンパニオンの派遣会社のようです。
でも、許可を持っているから、この会社を通せば、許可をもっていないビヨンドボーダーを運営する会社が転職斡旋をしても違法行為にはならないという法律規制をかいくぐった事業をしているのでしょうか。

パーティーコンパニオン派遣会社がグロバルキャリア求人1万件も保有するほど、契約企業があるのか?

しかし、パーティーコンパニオン派遣会社のクライアントにグローバル人材を採用したい企業が300社もあるとか、求人が1万件あるとか、ということなのでしょうか。

いろいろ時間をかけて、このビヨンドボーダーというサービスについて調べてしまいましたが、もうこの辺にしておきます。

じっくり調べてしまったのは、
『日本初の留学経験者専門の転職エージェント』
と名乗っていることが気になったからです。
この会社が日本初であったら、他にあったとしても数社しかないであろう、留学経験者に特化した転職エージェントがあってもいいと思います。

大手転職エージェントにも、おそらく留学経験のあるコンサルタントはたくさんいるでしょうから、留学経験者が大手転職エージェントに登録した時に、留学経験のあるコンサルタントに担当して欲しいを願い出れば担当に付くかもしれません。

また大手には、留学経験のあるコンサルタントがいる以上にたくさんの利用価値、メリットが提供できます。

それに対して、スタートしたばかりの転職エージェントの経験がまったくない人が見よう見まねで許可も得ないで始めようとしたビジネスはどうなっているのか、気になりました。

残念ながら『日本初の留学経験者専門の転職エージェント』ビヨンドボーダーという転職エージェントサービスは実際には機能していないと結論

ここまで調べてみた僕の個人的な結論は、この会社は実際には機能していない、ということです。
2015年に設立して、2017年からサービスを開始したようですが、国の許可もとらない。ウェブサイトには会社概要も出さない。実名のクライアント企業を1社も出さない。

1万件も紹介できる求人があるとうたいながら1社も実名で求人企業クライアントを出していない

「転職者インタビュー」とタイトルをつけている記事も、同社が転職を支援した実例ではなく、ただの転職経験のある人のインタビューで、わざとまぎらわしい表現と内容に仕上げています。

自社で転職のサポートをした人の事例紹介もない上、あえて実績があるかのような誤解をさせるような表現

志は悪くないので頑張って欲しいなとも思いますが、頑張ってないようですね。
ビヨンドボーダーでは以下のよう留学で経験したことをキャリアの強みとして活かしてほしいと願っているようです。

『留学経験者専門の転職エージェント』は必要なのか?

・誰も知らない土地で、人間関係を切り開いていったこと
・価値観の違う周囲の人にどう順応し、どう主張していったか
・自分しか頼る人のいない逆境を、どう乗り越えたか

確かにそのような特殊な環境に身を置くことになるビジネスパーソンはいるでしょう。
例えば、日本企業が未開拓の地に一人で派遣されてビジネスを立ち上げる、というミッションを課せられた場合などです。

とは言え、そのような特殊な環境に限らず、そのような経験をして乗り越え、実力をつけているのであれば、その経験、力がどのように応用できるとアピールすることは可能です。
「誰も知らない土地で、人間関係を切り開いていった」経験は、例えば、新規開拓の営業マンの職務でも活かせます。

事務ワークでもエンジニアでも、他の人との協業で遂行する業務において活かせます。プロジェクト毎に初めて出会う人と人間関係を築いて良好な人間関係がスムーズなプロジェクト進行につながるという業務であれば、尚一層活かせそうです。
「価値観の違う周囲の人にどう順応し、主張をしてきた」という経験は、国籍や文化による価値観の違いだけではなく、日本人どうしでも価値観が違うことはあるので、異なる意見、主張をする人たちが同じ目的に向かって業務遂行するために、自分がどのような役割を果たせるかをアピールできるかもしれません。

「自分しか頼る人のいない逆境を、乗り越えた」という経験は、本人としては、厳しい環境を生き抜いたというか留学生生活を最後までやり遂げたという達成感を感じていて、『乗り越えた』と感じているので、自分は何事にも粘り強く取り組み達成するまで頑張り続けることができる、とか、どんな困難な状況になってもあきらめるという選択肢はない、などとアピールするかもしれません。

とは言え、僕個人の見解は、かなり否定的、ネガティブです。

『日本初の留学経験者専門の転職エージェント』ビヨンドボーダーという転職エージェントサービスは実際には機能していないし、必要もない

確かに、日本人が誰もいない学校、誰もいない土地でホームステイとか自分で住むところを確保して長期の留学生活をしていたとすれば、「誰も知らない土地、、」かもしれません。「自分しか頼ることのない、、」かもしれません。

実際は大多数の留学では、日本人は他にもいる大学であったり、語学学校ですよね。もちろん以前からの知人友人ではないけど、少数派であるほどカテゴライズされて友達になりやすいので、人間関係構築能力はそれほど磨かれてきたとは思えません。

「価値観の違う、、」に関しても、確かに想定の範囲内に収まりそうな日本人どうしの価値観の違いよりも、国籍や宗教、育った環境が大きく違う外国人との生活で感じたことは、想像したこともなかったほど強烈なことをたくさん経験したことでしょう。

そんな強烈な環境に身を置いて柔軟に立ち振る舞ったという経験もそれほど特別なことでもないと思います。

どんな組織に属する日本人でもみんな価値観は違っているはずです。
それが言えない古い体質の組織が多く、『空気を読む』ことが慣習の一つでもある日本的体質の組織に属することになったら、その経験は全く活かせません。その経験を活かすことができるような自由闊達の組織に属することになっても、既にその組織に属している人たちは、その組織で活躍しているのであろうから、その留学経験者が特別な存在になることもなく、ただ、異質な、浮いた人材にはならないかもしれなな、という程度で、採用条件のひとつの側面にしかなりません。

ビヨンドボーダーが訴えている、留学生が留学で得た経験などは、仕事ができるかできないかに直接結びつくことではないのです。
語学を勉強しながら、現地で生活することで体験したことは、ビジネスのキャリアアップにはつながらないのです。
ビジネスのキャリアアップは、ビジネスでしかできないと思います。

ビヨンドボーダーに対してはネガティブな感想しかありませんが、
留学生専門の転職エージェントは存在意義があるのか?と考えると、あるとは思います。
その前提として、一般的な転職エージェントとしての機能があることが必要です。適任の人材がいて相談機能があり、人材を採用したいという求人企業のクライアントがたくさんあるという条件も必須です。
そのいづれも何もないのに留学経験者の転職支援に特化した転職エージェントです、相談してきてください、なんて言っても、相談した人は、何か得るものがあるのでしょうか。
留学経験者のコンサルタントから、
「そうだよねー、その気持ちわかるよー、僕も同じようなことを経験したから。」など、愚痴を聞いてもらったり、不満をぶちまけてスッキリしましたー、という感じでしょうか。

創業者は留学のサポートを300人にしてきた経験があるというけど、転職の支援をしたことはない人です。

きりがないのでこの辺でこの記事は終了します。

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